戦争映画の記憶1

 昭和の戦争映画,好きでしたねー.とは言っても,大半はテレビで見たものなのですが.なに,スクリーン鑑賞でないと映画を観たうちに入らない!確かにその通り,何の反論もできないのですが,そこはご容赦を.

 

 で,最も古い記憶を辿ってみました.記憶としては「コンバット」,ビック・モロー扮するサンダース軍曹のやつですが,これはテレビドラマなので割愛するとして,テレビで観たソビエト映画の「誓いの休暇」だと思います.人類史上最悪の戦場と言われる第二次世界大戦での独ソ戦が舞台です.2台のドイツ戦車を対戦車ライフルで単身撃破した通信兵アリョーシャがご褒美として6日間の休暇をもらい,故郷(どこかは不明,きっと遠くです)で一人暮らす母親に会いに行く.しかし,アリョーシャは相当なお人好しで,途中出会った見知らぬ兵士からの頼み事を果たしたり,傷病兵の世話を焼いたり,ちょっと可愛い美少女と恋に落ちたりなんかで時間を使い,母親と一瞬固く抱擁しただけで部隊へとんぼ返りする,というストーリーです.

 

 母親は去ってゆくアリョーシャをいつまでも手を振って見送る.こうゆうのに弱くて,ほんとに泣けた記憶がありますよ.1日くらい遅れたってイイでしょ,殊勲甲なんだから,と思ったものですが,そこは鉄の掟のソビエト赤軍,わずかな遅れでも即刻銃殺刑(真偽はともかくそんなイメージ,ロシアの方すまん)なのでやむを得ないですね.独ソ戦の悲惨さは伝わりませんが,“戦争は絶対にイカン”というメッセージが伝わる良い映画だと思います.

 

 その次が「トラ・トラ・トラ・」です.戦争映画史上燦然と輝く超大作で,小学3年生だった1970年に社会科見学授業の一環としてクラス全員で観た映画で,初めて映画館で観る映画でもありました.余談ですが,2本立て上映だったのか,または2週連続の社会科見学だったのか記憶が定かではないのですが,「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣」という円谷怪獣映画とセットで観たと記憶しています.今思うと“なんちゅう奇跡の組合せ”と思いますが,怪獣映画については別の機会に話したいと思います.

 

 で,「トラ・トラ・トラ・」ですが,なんと言っても実写の迫力ですよね.ヒッカム飛行場(かな?)への攻撃シーンでは,離陸直前に爆破されたP-40が退避する整備兵の至近距離に突っ込んだり,破壊されて回転するプロペラが飛んできたりと,エキストラの皆さん良くご無事で,という迫力満点シーンの連続です.また,日本人俳優は日本語を,アメリカ人俳優は英語を話している点など,とにかくリアリティにこだわった大作映画だと思います.後に,「トラ・トラ・トラ・」の戦闘シーンを一部流用して作られた「ミッドウェー」では日本人俳優も全員英語で台詞をしゃべっており,“なんだかとても残念な映画だなぁ”と強く思ったものです.やはり戦争映画はリアリティが無いと,アレな感じになってしまうので.

 

 だた,子供心に残念に思ったのは,日米俳優を直接比較しながら見てしまうので,どうしてもアメリカ人俳優のかっこ良さが際立ってしまう.いや,山村聡田村高廣もかっこイイんですよ,もちろん.しかし子供心にそう思ってしまったのです(ファンの皆さんスマン).そんなこんなで思い出の戦争映画でしたが,これからも度々懐古しようと思います.